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3.172021
ほぼ毎日更新、今日のつぶやき「なぜ、ここで弁明の機会!?」
こんばんは。経産省が今日の18時に事業再構築補助金の指針を発表するもんだから、自宅に帰れなくなってしまった時村です。
今日の読売新聞のネットニュース「【独自】時短営業応じない飲食店、都が命令へ…早ければ18日にも」という記事の中に「弁明の機会」という単語が出ているのですが、行政書士試験にも出てくる「弁明の機会」が、なぜここで出てくるのかについて解説してみたいと思っています。
新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下、特措法)第45条には、「特定都道府県知事は、(中略)必要があると認めるときは、(中略)当該施設の使用の制限若しくは停止又は催物の開催の制限若しくは停止その他政令で定める措置を講ずるよう要請することができる。(第2項)」「施設管理者等が正当な理由がないのに前項の規定による要請に応じないときは、(中略)当該要請に係る措置を講ずべきことを命ずることができる。(第3項)」とあって、休業要請に従わない施設に対して、必要に応じて休業を命じることができることになっています。この特措法第45条3項に基づく休業命令に違反して営業を続けた場合、30万円以下の過料となります(特措法第76条)。
さて、この特措法第45条第3項に基づく命令のように、役所の行為によって、国民に義務を課したり権利を付与したりするような、国民の権利や義務に直接具体的に影響を及ぼす行為の事を「処分」と言い、特に法令に基づき権利を制限したり、義務を課す処分の事を「不利益処分」と言います(行政手続法(以下、行手法)第2条第4号)。
つまり、この特措法第45条第3項に基づく都の休業命令は、行手法第2条第4号で定義されている不利益処分にあたるわけです。
ところで、この不利益処分を定義している行手法では、行政が不利益処分をしようとする場合には、事前に処分の相手方に対して意見陳述の手続を取らなければならない(行手法第13条)ことも規定していまして、この意見陳述手続のひとつが、冒頭に出てきた「弁明の機会」と呼ばれるものです。ここまで長かったですね(^^;)
「弁明の機会」と聞くと、こちらの言い分について担当行政庁が話を聞いてくれる機会を設けてくれるように思われる方もいらっしゃると思うのですが、原則書面で、弁明書という書面を提出します。行政庁は、この弁明書を確認したうえで、実際に不利益処分を行うかどうかを決定します。また、不利益処分をする場合は、その理由も示して行います。
というわけで、この記事に出てくる「弁明の機会」っていうのは、特措法じゃなくて行手法にある手続なんだよということが言いたいだけで、今日の記事を書いてみました。
それでは、今日はこの辺で。
【独自】時短営業応じない飲食店、都が命令へ…早ければ18日にも
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210316-OYT1T50369/
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