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飲食店がテイクアウト営業や宅配サービスや始める時に気を付けること

(記載:2020年4月24日)

行政書士つなぐ法務事務所の時村公之です。
今回は「飲食店がテイクアウト営業や宅配サービスや始める時に気を付けること」というテーマで、保健所の扱う営業許可について解説していきます。

この記事は、自店の設備を使ってテイクアウト営業や宅配サービスの開始を検討されている方に向けて作成しています。
それでは早速見ていきましょう!

飲食店営業許可にも種類がある

先日、あるホテル経営者の方から、「ホテルの厨房施設を使って宅配サービスやケータリング事業を行いたい」とのご相談を頂きました。このホテル、もちろん保健所の飲食店営業許可は取っているのですが、こうした宅配サービスやケータリング事業を行う場合、そのほかに許可を取る必要はないのでしょうか?

そもそも、飲食店営業許可の根拠法令は、食品衛生法という法律です。この法第51条には、以下のように書かれています。

(法第51条)
「都道府県は、飲食店営業その他公衆衛生に与える影響が著しい営業(食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律第二条第五号に規定する食鳥処理の事業を除く。)であつて、政令で定めるものの施設につき、条例で、業種別に、公衆衛生の見地から必要な基準を定めなければならない。」

つまり、飲食店営業等の「政令でさだめるものの施設」については、都道府県が条例で必要な基準を定めることになっています。

そして、続く法第52条第1項では、飲食店営業等を営む際には、都道府県知事の許可を受けなければならないことになっています。

(法第52条第1項)
「前条(法第51条)に規定する営業を営もうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。」

さて、法第51条で出てくる「政令でさだめるものの施設」ですが、これらの施設については食品衛生法施行令第35条で34種類の業種が挙げられていて、その第1号が「飲食店営業」になります。

この法施行令第35条では飲食店営業のことを「一般食堂、料理店、すし屋、そば屋、旅館、仕出し屋、弁当屋、レストラン、カフエー、バー、キヤバレーその他食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業をいい、喫茶店、サロンその他設備を設けて酒類以外の飲物又は茶菓を客に飲食させる営業(喫茶店営業)を除く。」と定義しています。

つまり、「飲食店営業」とは、一般の食堂や料理店などのように、食品を調理したり、場合によっては客席等の設備を設けたりしてお客が飲食をする営業で、喫茶店営業以外の営業をいうということが分かります。

そして、「条例で、業種別に、公衆衛生の見地から必要な基準を定めなければならない(法第51条)。」となっていますから、飲食店営業を始める際の施設の基準は、都道府県ごとに条例で定められています。

さて、ここからは広島県を例にとって話を進めていくのですが、広島県ではこの法第51条の条文を受けて、「食品衛生法に基づく営業の基準等に関する条例」の第3条で、「法第五十一条に規定する公衆衛生の見地から必要な基準のうち共通の基準を別表第二のとおりとし、食品衛生法施行令(昭和二十八年政令第二百二十九号)第三十五条各号に規定する業種ごとの基準を別表第三のとおりとする。」と規定して、全業種共通の施設基準を別表第二に、業種ごとの基準を別表第三に規定しています。

この別表第三を見ると、飲食店営業は以下の5つに分類されています。

・一類(二類から五類までを除くもの)
・二類(自動販売機、蒸し器等により調理して販売するもの)
・三類(仕出し、弁当等の調製を行うもの)
・四類(食肉販売施設で自家製ソーセージを調理して販売するもの)
・五類(露店により客に飲食させるもの)

通常、飲食店は一類の営業許可を取っています。パっと見ると宅配やケータリングは三類のように見えるかもしれませんが、三類許可はその場で食べることは基本的にはない業種(お弁当や仕出しを専門にしているお店)を想定しています。

一方、一類許可は、厨房と客席が分かれているお店や移動販売をする車内の厨房が対象になっていて、食べる場所がその場(外)の可能性のあるテイクアウトや移動販売も、この類型に含まれます。

以上のことから、一類の飲食業営業許可を持っている飲食店であれば、特に追加の許可を取得することなく、宅配やテイクアウトサービス、ケータリングサービスなどを行うことができます。ただし、お弁当を作って配送したいという場合には、三類の許可を取得する必要がでてきますので、注意が必要です。

通販サービスを始めるには製造業の許可がいる

それでは、もう少し商圏を広げて、自店の商品を全国発送する場合はどうでしょう?

例えば、お好み焼き屋がお好み焼きをチルドや冷凍にして、これをインターネット等を利用して通信販売をすることも、飲食店営業許可の範囲でできるのでしょうか?答えはNOです。

実は、こうした加工食品を通信販売する場合は、製造業の許可が必要になります。お好み焼きをチルドや冷凍食品にして発送する場合は、県条例別表第二にある「食品の冷凍業」「食品の冷蔵業」が該当します。

これがラーメンなどの麺類だと、少しややこしくなります。麺だけを製造販売するなら、「めん類製造業」という許可だけでよいのですが、これにチャーシューを付けて販売する場合は、別途「食肉製品製造業」という許可も必要になります。

これらの製造業許可は飲食店営業許可とは異なる設備基準があるため、許可取得には追加の設備購入や、厨房施設の改装等が必要となる場合もあります。

食材を売るには販売業の許可がいる

今回、ご相談を頂いたホテル経営者の方は、「ホテルが漁港の近くにあるので、水揚げされた新鮮な魚をホテル内の売店で販売したい。」という要望もお持ちでした。

このような場合は、食品販売業の許可が必要になります。今回の相談例のように魚を販売する場合は、「魚介類販売業」が該当します。

もし、鹿やイノシシなのどのジビエ食材を販売したい場合は、「食肉販売業」という許可が必要です。

まとめ

さて、ここまで飲食店がテイクアウトや宅配サービスなど、店外でサービスを行う場合や食材を販売しようとした場合に必要な許可についてご案内してきましたが、いかがだったでしょうか?

最初にご案内したように、食品衛生法は大枠を法律や政省令で決めているのですが、実際の施設の基準などは都道府県の条例で作成することになっています。また、自治体によっては条例で独自に許可の必要な業種を定めている場合もあります。

ですから、飲食店などが新しい業態のサービスを始める場合は、現在の許可の範囲内で取り扱うことができるのかどうか、新たに取得する必要のある許可はないのか、などを管轄の保健所に確認すると良いでしょう。

以上、「飲食店がテイクアウト営業や宅配サービスや始める時に気を付けること」というテーマで、保健所の扱う営業許可について解説しました。

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