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ほぼ毎日更新、今日のつぶやき「押印廃止と現場の悩み」

おはようございます。毎朝、庭に咲いた梅の花を見て春の訪れを感じるのですが、その後のバイク通勤で冬の厳しさしか感じられない時村です。

先日、とある市の消防署の担当者と今後の手続きについて打ち合わせをしていたのですが、この市では先月から消防関係の書類の押印が廃止されていたので、「時村さん、うちの市は書類への押印はいりませんので、書類ができたら直ぐに出してもらって構いませんよ。」とおっしゃられました。

そこで「いえ、私は依頼者から委任状を頂くつもりなので、少しお時間を頂戴すると思います。」とお答えすると、急に神妙な感じになって「やっぱり普段から委任状を作成されるんですか?」と聞かれました。

勿論、私は普段から委任状を作成していますが、押印が廃止されてから、特にこの委任状が大切だなぁと思っていまして、押印が廃止されて記名のみで有効な書類が作成できる問うことは、受け取る行政側は、その書類の正当性を確認する手段がありません。そう考えると、これまで以上に、委任状は必ず作成しなければならないものだと考えています。

そんな話をしたところ、「実は、わたしもどうしたものかと思っていまして。消防にくる申請者の方は、業者さんが代わりに書類を持ってくる場合も多くて、その際も委任状などは持ってきません。一応、顔も知っているので信頼関係だけで受理しているんですが、本当にこれでいいのかと正直対応に苦慮しています」と、現場ならではのお悩みを抱えておられました。

行政に提出する書類の押印が廃止されて、押印を求めることは「悪」であるかのような風潮があるかもしれませんが、押印廃止は行政のデジタル化を進めるための手段であって、目的ではありません。今後、マイナンバー等のIDと紐づくようなオンライン申請が可能になれば、押印に代わる手段が用意されることとなり、これで初めて印鑑が不要となるわけですから、その手段が用意されていない今の段階では、書類への押印が廃止されたのであれば、これに代わる手段として、しばらくの間は委任状が、その役割を担うのだろうなあと思うところです。

それでは、今日はこの辺で。

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