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実は、広島県は欧州に人気!?宿泊者数構成比からインバウンド集客戦略を考える。

(この記事は、2019年9月13日に更新しました)

本日は、「実は、広島県は欧州に人!?宿泊者数構成比からインバウンド集客戦略を考える。」をテーマにお話を進めていきます。

宿泊旅行統計調査

観光庁では、宿泊旅行統計調査という調査を毎月実施しています。

調査は、全国のホテルや旅館、簡易宿所、会社・団体の宿泊所を対象に行われ、主に
・各月の延べ・実宿泊者数及び外国人延べ・実宿泊者数
・各月の延べ宿泊者数の居住地別内訳(県内、県外の別)
・各月の外国人延べ宿泊者数の国籍別内訳 等
について調査を行っています。

調査結果は、速報値および確定値という形で環境庁のHPで公表されており、誰でも確認することができます。

さて、2018年の宿泊旅行統計調査の確定値を見てみると、全国の延べ宿泊者数は、5億3,800万人泊(前年比+5.6%)で、うち外国人延べ宿泊者数は9,428万人泊(前年比+18.3%)、延べ宿泊者全体に占める外国人宿泊者の割合は17.5%という結果でした。
延べ宿泊者数を都道府県別で見てみると、1位:東京都(6,611万人泊)、2位:大阪府(3,990)、3位:北海道(2,679)、4位:沖縄県(2,679)、5位:千葉県(2,559)となっており、中四国地方では、15位:広島県(990)、29位:岡山県(561)、35位:山口県(435)、36位:愛媛県(425)、39位:香川県(405)、41位:鳥取県(356)、43位:高知県(301)、44位:島根県(298)、47位:徳島県(222)、です。

これを外国人に限って見てみると、外国人延べ宿泊者数は9,428万人泊は調査開始(平成19年)以来の最高値で、外国人旅行者が増加傾向にあることが伺えます。
三大都市圏と地方部(※)における外国人延べ宿泊者数のそれぞれの対前年比は、三大都市圏で+18.6%、地方部で+17.8%となっていて、都市部も地方部も順調に増加傾向にあります。
また、地方部のシェアは、前年に引き続き4割を上回っており、都心部への偏りは見られるものの、外国人旅行客の宿泊地が都心部から地方にも広がっていることが読み取れます。
都道府県別の外国人延べ宿泊者数は、1位:東京都(2,319万人泊)、2位:大阪府(1,512)、3位:北海道(834)、4位:京都府(627)、5位:沖縄県(620)、となっており、京都府が4位に躍り出ます(全国延べ宿泊数では8位)。京都府は、宿泊地として外国人人気が高そうですね。
中国地方だと、16位:広島県(124)、22位:香川県(55)、23位:岡山県(47)、38位:愛媛県(23)、39位:鳥取県(19)、43位:山口県(12)、44位:徳島県(12)、45位:高知県(8)、47位:島根県(7)、となっています。
(※)三大都市圏とは、「東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫」の8都府県をいう。地方部とは、三大都市圏以外の道県をいう。

続いて、国籍別の外国人延べ宿泊者数構成比を見てみましょう。国籍別だと、1位:中国(26.5%)、2位:台湾(14.5%)、3位:韓国(14.3%)、4位:香港(7.4%)、5位:アメリカ(6.7%)となっており、この5ヵ国・地域で全体の約70%を占めています。韓国については、7月以降は訪日客数が低下していることが予想されますから、延べ宿泊数についても今後の速報値では順位の変動があるかもしれません。
地域別で見ると、アジア(東南アジアを含む)が73%と断トツで、北米(アメリカ・カナダ)が7.6%、欧州(イギリス・英国・フランス等)は5.9%となっています。ただし、伸び率でみると、イタリア(前年比+34.0%) 、 フランス(同+28.6%) 、中国(同+26.0%)、インド(同+25.8%)等が高かまっており、今後は欧州や南アジアからの訪日客が増えていくということも予想されます。

広島はちょっと違う

さて、ここからが本題です。
国籍別の外国人延べ宿泊者数構成比を都道府県別に見てみると、ほとんどの都道府県は、中国・台湾・韓国のいずれかの国が1位となっています。ちなみに中国は三大都市圏を中心に16都道府県、台湾は地方部を中心に20県、韓国は九州地方を中心に8県でそれぞれ1位になっており、中国・台湾・韓国で上位を構成しているというパターンがほとんどです。
しかし、このような傾向の中にあって、特に他と異なる傾向を示しているのが広島県です。なんと広島県の国籍別外国人延べ宿泊者数構成比は、1位:欧州(20%)、2位アメリカ(13%)、3位:中国(9%)、4位オーストラリア(8%)、5位:その他(41%)と、3位に中国が入っているものの上位が欧米で占められており、他の都道府県と全く異なる傾向にあります。(宿泊旅行統計調査(平成30年・年間値(確定値)より)

つまり、広島県で観光を考える場合、「中国や台湾の人が多そうだから、彼らに受けるような商品・サービスを取りそろえよう」とするとニーズを見誤るということになります。

ところで、なぜ広島県だけこんなにも傾向が違うのでしょうか?
それは、「外国人が広島という都市をどのようなエリアとして見ているのか」という視点で考えてみると理由が見えてきます。
外国人が選ぶ宿泊地を国籍別に比較したところ、宿泊する都市の1位は、ほとんどの国籍で東京となっています(韓国のみ大阪府)。
ところが、2位以下は地域によって分かれます。アジア圏の方は、東京・大阪についで北海道に宿泊するケースが多くみられますが、これに対して欧米圏の方は、京都府に宿泊するケースが多いという傾向があります。
この理由は、アジア圏の人は、日本と地理的に近く、文化的・宗教的に類似点が多いことから、神社仏閣よりも、「食」、「四季・風景・自然」、「ショッピング」、「温泉」などを目当てに日本に訪れる傾向があると言われています。これに加えて北海道は、香港や台湾といった国々では降ることの無い「雪」が見られることが大きな魅力となっています。一方で、地理的に遠い欧米圏の人々は、自国には無い文化を選好する傾向にあり、結果、京都府が宿泊地として選ばれる傾向にあります。

このことから、実は広島という都市も訪日外国人の方からは、「文化的・宗教的な魅力があふれる都市」という風に見えていると言えるのではないでしょうか?
改めて考えてみると、1996年に平和記念公園と厳島神社(宮島)が世界文化遺産に登録され、2009年にはフランスのモン・サン=ミッシェルと宮島は観光友好都市提携を締結しました。2016年にオバマ大統領が、アメリカの大統領として初めて平和記念公園に訪問し、世界中の注目を集めました。確かに、文化的・宗教的な魅力が詰まった都市と言えるかもしれません。
この仮説に立って考えると、広島でインバウンド需要を取り込むには、これらの文化的・宗教的な観光資源を利用して、欧米圏から来日する外国人をターゲットとした商品・サービスを提供するというのが、正解と言えそうです。
たとえば、文化的な要素に触れたいと思って広島に来ているのですから、見るだけではなく日本の文化を直接体験できるような商品・サービスを提供できれば、満足度も高まりますし、差別化にもなります。
今、流行の農泊や田舎のモノづくり体験などはその最たるものですし、これからは「触れる」「体感する」というキーワードがより一層重要になると思います。

本日は、観光庁の宿泊旅行統計調査から、広島のインバウンド集客戦略を考えてみました。

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