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延べ床面積が200㎡を超える一軒家を建築確認申請しないで用途変更する方法

(記載:2020年3月19日)

行政書士つなぐ法務事務所の時村公之です。
今回は「延べ床面積が200㎡を超える一軒家を建築確認申請しないで用途変更する方法」というテーマで、用途変更に伴う建築確認申請が不要となる場合について解説していきます。

この記事は、建築確認申請をすることなく戸建住宅で旅館業を行いたい方に向けて作成しています。
それでは早速見ていきましょう!

なぜ建築確認申請が必要なのか

別にもったいぶるわけではないのですが、まずは戸建住宅で旅館業を行う際に、なぜ建築確認申請が必要となのかを確認しましょう。

建築基準法第6条第1項には、「建築主は、(中略)建築物を建築しようとする場合(中略)、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。(後略)」と書かれています。

この「確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受け」ることを、建築確認申請と言います。

次に建築確認申請の対象となる建物ですが、これは同法第6条第1項の第1~4号に列挙されています。

このうち第1号は「別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるもの」としていますが、この別表第一(い)欄の第2号に「病院、診療所、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎その他これらに類するもので政令で定めるもの」と記されており、これが根拠となって、特殊建築物である宿泊施設を建築する場合には、建築確認申請が必要とされています。

ここまでで、宿泊施設を建築する場合には、建築確認申請が必要なことがわかりましたが、一般の戸建住宅を宿泊施設に変更する用途変更については、宿泊施設を建築するわけではないので、建築確認申請は適用がないことになります。

しかし、用途変更が自由に行えるのでは、利用者の安全を担保するために建築行為等に制限を課したことが意味のないものになってしまうので、建築基準法第87条第1項で「建築物の用途を変更して第6条第1項第1号の特殊建築物のいずれかとする場合においては、(中略)規定を準用する。(後略)」として、用途変更に対しても建築行為等に関する一定の規定を準用することで、規制を設けています。

以上を根拠として、一般の戸建住宅を宿泊施設に用途変更する場合には、建築確認申請が必要となります。

建築確認申請ができない時ってどんな時?

次に、一般の戸建住宅を宿泊施設に用途変更する際に必要な建築確認申請ができない場合とは、どういったときでしょうか?

それは、建築確認申請を行い、確認済証は交付されているが、工事完了後の検査済証が交付されていない場合です。

確認済証と検査済証の違いは、確認済証が、あくまでもその建築計画が建築基準法令に適合したものであることを証明するものであるのに対して、検査済証は、その建物が適法に建てられたものであることを証明するものであることです。

つまり、検査済証が無ければ、その建物が適法に建てられたという証明ができません。そこで、既存建築物が建築確認に従い施行されていることを証明するために、建築基準法第12条第5項の報告というものが必要になります。

建築基準法第12条第5項では「特定行政庁、建築主事又は建築監視員は、次に掲げる者に対して、建築物の敷地、構造、建築設備若しくは用途、(中略)建築物に関する工事の計画若しくは施工の状況(中略)に関する報告を求めることができる。」とあります。

この条文には「報告を求めることができる」としか書かれていないのですが、実際の運用では、建築確認当時の確認申請図書に基づき既存建築物の現況調査を行い、適法性が確認された場合、「適法である旨を報告してもらう」ことで、建物が適法に建てられたものであることを証明します。この「適法である旨を報告してもらうこと」を、建築基準法第12条第5項の報告と言います。

ただ、この「建築基準法第12条第5項の報告」に必要な現況調査には多額の費用がかかります。その為、実際には用途変更に伴う建築確認申請を断念する場合が多いです。

なお、確認申請の交付を受けていない場合は、既存建築物が適法な計画に基づいて建てられているのかを確認できないということになりますから、そもそも用途変更をすること(つまり、宿泊施設としては使用すること)はできません。

どうすれば建築確認申請をしないで用途変更できるか?

では、建築確認申請をすることなく一般の戸建住宅を宿泊施設に用途変更する方法について、考えてみましょう。

建築基準法第6条第1項第1号には「別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるもの」とありますので、200㎡以下であれば用途変更を行っても、建築確認申請は不要ということになります。

それでは、延べ面積が200㎡を超える場合は建築確認申請を免れることはできないのでしょうか?

実は、一つだけ方法があります。それば、戸建住宅のうち宿泊施設として利用する面積を200㎡以下とすることです。

あらためて建築基準法第6条第1項第1号を確認すると「(前略)、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるもの」となっています。つまり、戸建住宅の床面積が200㎡を超えていても、宿泊施設として使用する部分の合計が200㎡以下であれば、用途変更を行っても建築確認申請は不要ということが言えます。

まとめ

ここまで、戸建住宅を宿泊施設に用途変更する場合に、建築確認申請が不要になる場合を確認してみましたが、いかがでしたか?

一般的に戸建住宅は、延べ床面積が200㎡以下であることが多いのですが、上記の方法であれば200㎡を超える戸建住宅であっても建築確認申請を行わずに用途変更をすることができ、用途変更に必要な費用を抑えることができます。

ただ、ここで注意しておきたいのが、「建築確認申請が不要だからと言って、住宅をそのまま宿泊施設として使用できるわけではない」ということです。あくまでも建築確認申請という手続きが免除されるだけで、建築基準法令に適合した用途変更(つまり宿泊施設に求められる建築基準を満たすための追加工事)は必ず行わなければなりません。

以上、「延べ床面積が200㎡を超える一軒家を建築確認申請しないで用途変更する方法」というテーマで、用途変更に伴う建築確認申請が不要となる場合について解説しました。

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