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あなたの街にもある?日本各地の民泊条例

(記載:2019年11月28日)

行政書士つなぐ法務事務所の時村公之です。
今回は「あなたの街にもある?日本各地の民泊条例」というテーマで、各自治体が個別に設けている住宅宿泊事業法に係る条例の傾向を確認していきます。

この記事は、住宅宿泊事業者として民泊を始めたいと考えている方に向けて作成しています。
それでは早速見ていきましょう!

民泊条例における傾向

観光庁が運営する「民泊ポータルサイト」の各自治体の窓口案内(条例等の状況等)というページに自治体の条例制定状況ということで、令和元年11月20日現在の自治体の条例制定状況が更新されていました。
http://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/content/001317225.pdf

資料を見ると、全国で56の都道府県市区町村で独自のルールを設けていることがわかります。

どの自治体も、①民泊営業の場所や期間の制限、②住民説明の義務化、という項目が共通しているように思えますね。
あとは、産業廃棄物の処理方法やクレーム対応方法について、ルールを明確化することを義務付けている自治体も多いです。

やはり、このあたりが自治体としても不安に感じているところなのでしょう。

民泊営業の場所や期間の制限

住宅宿泊事業法では、住宅宿泊事業を住宅専用地域でも行えることになっています。

しかし、この住宅専用地域内での営業を条例で規制している自治体が多いです。
あと、学校施設や児童福祉施設での周囲を規制する自治体も多いですね。
このあたりは、地域の治安に対する不安からの規制だと思われます。

一方で、景観形成地区や美観地区など、いわゆる風致地区内やその周辺での規制も目立ちます。
こちらは周辺の景観に配慮しての規制と思われます。

期間についても、「月曜日の正午から金曜日の正午まで(施設の休業日の前日の正午から当該休業日の翌日の正午までを除く)※奈良市の学校施設等の周囲100m」のようにかなり細かく指定している自治体もあるので、注意が必要です。

住民説明の義務化

近隣住民への説明を義務化している自治体も多いです。
和歌山県などは「近隣住宅居住者の反対が無いことの確認」となっていますから、説明を行えば終わりというわけには行きません。

近隣といっても、その範囲については各自治体によって違いますから、こちらも確認が必要です。

まとめ

各自治体の条例の内容から感じることは、自治体が「民泊の住民生活に対する影響」を不安に感じている印象を受けました。
民泊が注目されるようになった当初、民泊=違法というイメージが先行したことも影響しているのだと思います。

住宅宿泊事業法は、施行後3年を経過したところで、運用状況を勘案して、必要があれば見直しがされることになっています。
条例についても、運用状況を見ながら内容も見直されていくことが予想されます。
今後、民泊の良い側面がクローズアップされていければ、きっと規制も緩和されていくと思います。
そのためにも民泊に関わる方々が法律を遵守し、正しい運営を心がけましょう。

現在、多くの自治体の条例は、その殆どが住宅宿泊事業法の上乗せ条例で、規制が法律よりも強化されている傾向にあります。
法律しか見ていないと、「法律はクリアしたのに、条例で引っかかってしまった」といったことにもなりかねません。
ですから、法律や政省令はもちろんのこと、自治体の条例や告示、ガイドライン等もしっかり抑えておきましょう。

今回は「あなたの街にもある?日本各地の民泊条例」というテーマで、各自治体が個別に設けている民泊条例の傾向を確認しました。

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