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広島市の旅館業許可は厳しい!?

(記載:2020年2月7日)

行政書士つなぐ法務事務所の時村公之です。
今回は「広島市の旅館業許可は厳しい!?」というテーマで、広島市の旅館業許可申請にある事前審査について解説していきます。

この記事は、広島市で民泊などを旅館業の許可申請で始めたいと考えている方に向けて作成しています。
それでは早速見ていきましょう!

広島市の旅館業許可申請は厳しい!?

先日、観光業に携わる業者の方々とお会いする機会がありました。

余談ですが、だいたいこういう席で「行政書士の時村です」と自己紹介をすると、「なんで行政書士がこんな席にいるんだろう?」という微妙な反応をされますが、「観光法務を取り扱っていて、旅館業や旅行業がメインです」と説明すると、途端に「こういった場合って、法律違反になりますか?」とか「これって許可がいりますか?」といったご質問を結構頂きます。

皆さん、アイデアはお持ちなんですけど、周りに法律に詳しい方がいらっしゃらないのでお困りなんでしょうね。
お役に立てる場所は、まだまだあるなと感じています。

さて、話がそれましたが、この時に「広島市で旅館業の許可を取るのって厳しいって聞いたんですけど、ホントですか?」というご質問を頂きました。

結論から申しますと、厳しいというわけではないのですが、他の県や市と比べると事前の手続きに手間がかかるなぁという印象はあります。

この、他の県や市にはない手続きがあることによって、「広島市の旅館業許可が厳しい」というイメージにつながっているのではないでしょうか?

広島市の「事前審査」は「事前相談」とは違う

広島市にあって、他の県や市にはない手続きというのが、「事前審査」です。
「えっ?事前相談ならどこでもやってるじゃん。」と思われるかもしれませんが、事前相談と事前審査は少し違います。

通常、旅館業の許可申請の際に行う事前相談とは、法令等に定める基準に合うように、設計の段階から保健所等の担当課と計画のすり合わせ行うことを言います。

一方で、広島市の行う事前審査では、事前審査に関する様式が準備されていて、提出された書類に基づき、建物の構造や建設予定地が適当であるかを実際に審査します。

なんだか、ハードルが上がった感じがしますよね?もう少し詳しく見て行きましょう。

広島市の行う事前審査の中身とは

広島市では、広島市旅館業許可事務及び指導要綱(以下「要綱」という。)に基づき、旅館業を営もうとする場合には、あらかじめ事前審査願を提出し、審査を受けることを奨励しています。

指導要綱に規定されているものですので、義務ではありませんが、ほとんどの場合、この事前審査を経て申請書を提出します。

事前審査では、以下の2つの項目について審査や指導を行っています。

    1. 旅館業法等の規定に基づく構造設備基準に合致しているか
    2. 建築予定地が公衆衛生上適当であるか

1については、広島市旅館業法施行条例に定められている構造設備基準や営業者が講ずべき措置基準等について、計画が合致しているかを審査します。
具体的には、客室や入浴施設・トイレ・洗面所等の数や面積など、設置を予定している設備の概要を構造設備等の概要という様式に記載して、事前審査願に添付して提出します。

2については、旅館業法第3条第3項各号に規定する施設および近隣住民との調整を指導しています。
旅館業法第3条第3項各号に規定する施設については、他の県や市でも行われる照会と同じなのですが、違うのが近隣住民対応です。

実は、広島市では、事前審査願の提出に先立って、施設の設置場所の公道に面する位置等、近隣住民等が見やすい場所に、その計画の概要を記載した標識(様式あり)を設置し、地域の住民等に情報を公開し、周知を図ることを求めています。

この標識は少なくとも事前審査願を提出する20日間以上前から掲示をしておかなければならないとされており、周知結果を計画公開結果報告書という様式に記載して、事前審査願に添付して提出します。

広島市の旅館業許可申請が厳しいと感じる理由

さて、広島市の事前審査は上記の通りなのですが、実は、添付書類は上記で説明したものに加え、許可申請に必要な添付書類を一式提出することとされています。(広島市の旅館業許可申請に必要な書類については、広島市の旅館業許可申請を参照)

つまり、最初の段階から図面等の書類を揃える必要があるため、事前審査がなかなか進まないという状態に陥りやすいのです。
このことが、「広島市の旅館業許可は厳しい」と感じさせるのではないでしょうか。

まとめ

ここまで、広島市の旅館業許可申請の際に行う事前審査について確認してみましたが、いかがでしたか?

実は、広島市の景観条例でも事前協議制度という仕組みがあって、今回ご紹介した事前審査と同じように、指導要綱に基づいて、届出の提出の前に詳細な書類の提出を要請しています。
もしかすると、事前に詳細な資料で審査をするというのが、広島市の許認可手続きの特徴なのかもしれません。

今回ご紹介したように、広島市で旅館業を始める場合は、初期の段階から詳細な書類の提出を求められますので、早めに申請に向けた準備に取り掛かりましょう。

以上、「広島市の旅館業許可は厳しい!?」というテーマで、広島市の旅館業許可申請にある事前審査について解説しました。

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