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その送迎サービスには旅行業登録が必要です

(投稿:2019年11月7日)

行政書士つなぐ法務事務所の時村です。
今回は、「旅館業営業をしている事業者が、旅行業登録が必要になる場合」について解説します。

この記事は、旅館業をすでにされている方やこれから始めようと検討している方にお読みいただきたい内容となっています。
それでは、早速見ていきましょう!

ホテルオーナーとの雑談から

先日、広島の県北でホテルを経営されているオーナー様とお話をさせていただく機会がありました。

その際の話題の中で、オーナー様から「実は、駅までの送迎用に使用しているマイクロバスが老朽化してきたので、買い換えるか迷っている。中古と言ってもそれなりに金額はするし、維持費もかかる。いっそ外部に委託しようかと考えている」というお話がありました。

そこで私から「もし、外部に委託するのであれば旅行業登録が必要になるかもしれませんね」とご案内したところ、とても驚かれておられました。
確かに送迎を外部に委託することと旅行業登録は、あまり関係があるようには見えません。

では、なぜ送迎を外部に委託すると旅行業登録が必要になるのでしょうか?
このあたりを確認していきましょう

運送サービスとは

旅行業法では、報酬を得て「旅行者のため、運送等サービスの提供を受けることについて、代理して契約を締結し、媒介をし、又は取次ぎをする行為」を旅行業と規定しています。

このホテルでは、現在は自社のマイクロバスを使用して、自社で運送サービスを提供しているので、旅行業には当てはまりません。

しかし、外部に委託するということになると話が変わってきます。
なぜなら、外部に送迎を委託するということは、「旅行者が運送サービスの提供をうけることについて、ホテルが間に入って取り次いでいる」という状態になるからです。

ポイントになるのは、「報酬を得て」というところです。
「報酬」というのは、「利益」ではありませんので、仮に運送会社に支払う費用をホテルが前払いしているだけであっても、一旦ホテル側が徴収したのであれば、これは「報酬」とみなされます。
ですから、運送業者に支払う分だけを旅行者から徴収したとしても「報酬を得て行った運送サービス」ということになります。

ちなみに「無料送迎サービス」と銘打っても、運送費が宿泊代の中に含まれているのであれば、報酬を得ていることになりますので、注意が必要です。

ホテル・旅館が旅行業登録をするメリット

そうすると、やはり自社でマイクロバスを所有するほうが得策なのでしょうか?

確かに旅行業登録をするとなると、基準資産額をクリアする必要がありますし、登録費用もかかります。
また、旅行業務取扱管理者も選任しなければなりません。
送迎バスを外部委託するだけであれば、あまりメリットが無いようにも感じます。

しかし、旅行業登録を行うということは送迎バスだけの話ではなく、旅行業を取り扱えるようになるということです。

具体的には、自分たちの施設を起点としたオプショナルツアーを自ら提供することができるようになります。
ホテルの宿泊者に、施設を起点としたオプショナルツアーを提供できれば、ツアーの売上だけでなくホテル・旅館の宿泊費の売上も上乗せできます。
魅力的なツアーを用意できれば、ホテルへの集客ツールにもなります。

現在は、旅行サービス手配業(いわゆるランドオペレーター)という制度もありますので、よい業者を見つけることができれば、旅行業のノウハウが無くても魅力的なツアーを提供することも可能です。

まとめ

以上のようなことをオーナー様にご案内したところ、「ホテル業というのは、どうしても待ちの営業になってしまうので、オプショナルツナーなど取り組んでみたいと考えていた。ラウンドオペレーターを利用すれば、自分たちにノウハウが無くてもツアーが組めそうだし、前向きに考えてみたい」とのことでした。
元々は、送迎バスの話だったのですが、なんだか話が変わってしまいましたね(笑)。

ここまで旅館業に旅行業登録が必要な場合について見てきましたが、いかがでしたか?
もし、無登録で旅行業を行うと「一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金、又はその併科」です。
そして、旅行業法に違反してしまうと、改めて旅行業登録をしようとしたときに、登録ができない場合もあります。

ですから、旅館業者が送迎等の運送サービスを外部委託する場合は、注意が必要です。

以上、「その送迎サービスには旅行業登録が必要です」というテーマで、送迎サービスに旅行業登録が必要になる場合を解説しました。

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