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海外サーバーを使う旅行予約サイトは、旅行業法の対象外!?

(記載:2020年1月16日)

行政書士つなぐ法務事務所の時村公之です。
今回は「海外サーバーを使う旅行予約サイトは、旅行業法の対象外!?」というテーマで、海外サーバーを利用した旅行予約サイトに対する法規制ついて解説していきます。

この記事は、旅行予約サイトを運営する事業者に向けて作成しています。
それでは早速見て行きましょう!

まずは、旅行予約サイトの4タイプを確認

宿泊施設の予約や交通機関のチケット確保など、これまで旅行業者が店頭窓口を通じて提供してきた旅行にかかわるサービスをインターネットで行うことを「オンライン旅行取引」と言います。
そして、オンライン旅行取引を行う業者は「OTA(Online Travel Agents/オンライン旅行取引事業者)」と呼ばれ、OTAが顧客との窓口として運営するウェブサイトは「旅行予約サイト」などと呼ばれています。

さて、観光庁が作成したオンライン旅行取引の表示等に関するガイドライン(OTAガイドライン)では、この「旅行予約サイト」を以下の4つに分類しています。

    1. 国内OTAが運営するサイト
    2. 海外OTAが運営するサイト
    3. 場貸しサイト
    4. メタサーチ

上記のうち、1.国内OTAが運営するサイトは、日本国内に事業拠点を持つ旅行業者が運営しており、旅行業法に基づき旅行業登録をしています。

2.海外OTAが運営するサイトは、海外に事業拠点を持ち、日本国内に事業拠点を持たない事業者が運営していて、海外のサーバを用いて運営されています。

3.場貸しサイトは、情報提供の場としてホームページを提供するサイトで、申込や支払などは、旅行者と宿泊事業者・交通機関、旅行業者等が直接行います。

4.メタサーチは、国内または海外OTAのサイトや場貸しサイトにある旅行商品の情報を一覧できるようにして、旅行者に多数の旅行商品の内容や価格などを比較しやすく見せるサイトで、場貸しサイトと同じく、申込や支払などは、旅行者と宿泊事業者・交通機関、旅行業者等が直接行います。

これら4種類の旅行予約サイトのうち、1.国内OTAが運営するサイトについては、旅行業登録を行ってサイト運営をしていますが、残りの3つについては旅行業登録を行わずにサイトを運営しています。

このうち、3.場貸しサイトと4.メタサーチについては、「旅行仲介サイト(プラットフォーマー)に旅行業登録は必要か?」でも解説した通り、あくまでも情報提供がメインである場合は、旅行業法上の旅行業には当たりません。

それでは、2.海外OTAが運営するサイトが、なぜ旅行業登録をすることなく、運営することができるのでしょうか?

海外サーバーを使用しても旅行業登録が必要な場合がある

旅行業登録を行う場合、この登録は営業所単位で登録を行います。
旅行業法は日本の法律ですから、法律の効力が及ぶ範囲も日本国内に限定されます。
つまり、国内に事業所・営業所を持つ旅行業者に対して、旅行業法は効力を発揮します。

一方で、海外OTAのように日本国内に事業拠点を持たない事業者については、旅行業法の規制は及びません。
なので、旅行業登録を行わなくても旅行予約サイトを運営して日本国内でサービス提供をすることができるのです。

逆に言うと、海外サーバーを使用していても国内に事業所がある場合は、旅行業登録を行わなければ旅行業法違反に問われてしまうということになります。

住宅宿泊仲介業の場合

それでは、住宅宿泊事業の仲介を行う、住宅宿泊仲介業の場合はどうでしょうか?

住宅宿泊事業法の場合、海外の仲介業者を「外国住宅宿泊仲介業者(国内に住所若しくは居所を有しない自然人又は国内に主たる事務所を有しない法人その他の団体であって、外国において住宅宿泊仲介業を営む者)」と規定し、これら外国住宅宿泊事業者であっても登録を求める「域外適用」を運用しています。

しかし、あくまでも要請ですので、旅行業法と同じく、海外に事業所やサーバーがあれば住宅宿泊事業法の規制は受けません。

ただし、住宅宿泊事業法第12条では「住宅宿泊事業者は、宿泊サービス提供契約の締結の代理又は媒介を他人に委託するときは、住宅宿泊仲介業者又は旅行業者に委託しなければならない。」とされており、住宅宿泊仲介業者または旅行業者以外の者(未登録者)に仲介を委託した場合は、委託した住宅宿泊事業者が罰せられます。

ですから、日本国内向けに旅行予約サイトを運営する場合は、日本国内に事業所が無くても住宅宿泊仲介業の登録をしないと、結果として業務ができないということになります。

なお、国内に事業所がある事業者が住宅宿泊仲介業の登録を行わずに事業を行った場合は、住宅宿泊事業法違反ではなく、旅行業法違反となります。
これは住宅宿泊事業法における住宅宿泊仲介業が、旅行業法の特別規定にあたるからです。

まとめ

さて、ここまで「海外サーバーを使う旅行予約サイトは、旅行業法の対象外!?」について確認してみましたが、いかがだったでしょうか?

なんとなく「海外サーバーを使えば、日本の法律の適用外」といったイメージをお持ちだった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、実際は事業所や営業所が日本国内にあれば、旅行業法の適用対象になります。
また、住宅宿泊仲介業については、たとえ事業所を海外に構えていたとしても、結果として仲介業登録を行わなければ、サイト運営はできません。

以上、「海外サーバーを使う旅行予約サイトは、旅行業法の対象外!?」というテーマで、海外サーバーを利用した旅行仲介サイトに対する法規制ついて解説しました。

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